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リノベという考え方
ヨーロッパ郊外の古いお家を見て回ると、日本の住宅とは全くイメージが違う事に気が付きます。
確かに、歴史のある何世代も受け継がれてきたお家ですし、経年変化による趣きがあり住む人それぞれが無垢材や天然石等を使い思いのままリノベしてきたので、新建材を多用した日本の家屋とは全く違う雰囲気になるのは当然だと思います。
では、そのようなお家造りは現代の日本では難しいのでしょうか?古い町や古都で見かける日本の家屋もそのような作り方がされてきました。古民家と言えば想像しやすいのかもしれません。
使われてる素材や塗り壁を何度も何度も手を加えながら大切に残されてきた日本家屋はヨーロッパのうっとりする様な家屋と比べても遜色ないと思います。
お家は住む人と同じ数だけ時を重ねていきます。新しく綺麗なものは時の数だけ経年劣化を起こしてしまいます。十数年のサイクルでリフォームし常に新しさを求められるのも良いのですが、共に時間をかけて成長していくお家造りをしていくのも一つの方法だと思ってます。
新しくするのではなく変化していくお家を作る。
例えば壁紙だけ新しくすると、他の部分も気になりだし全て交換しないと空間における時間の概念を鑑みてもお家のバランスが取れなくなってしまします。
傷んだ壁は貼りなおすのではなく塗りなおす。少しづつお化粧直しをし経年美を保たせていく事で、柱の傷や古くなってきた家具や小物も趣きのある懐かしい思い出に変わっていく事と思います。
ここ十数年くらいで良く聞くようになったリノベとは新しい考え方ではなく、古くからある『良いものを守り続け、残していく』という人が大切にしてきた想いだと考えています。
同じ時間をかけて年を重ねていく、共に過ごすお家造り*リノベーション*という考え方をひとつの選択肢としてお持ちいただけると嬉しく思います。
PLUS RASISA watanabe