「地域の沢山の方に来てもらいたい」とのご相談から、3階建ての住居兼医院を2階は診療室、3階はスタッフ様のリフレッシュルームにリノベしました。
1階で診療を行いながらの工事でしたので、階段の増設という難関がありましたが2階へのアクセスを考え、お客様の動線とスタッフ様が行き来する階段を分けれた事でゆっくり往来できるようになり、待ち時間さえ気にならないような空間が作れました。
院長先生も経年美がお好きで素材感や空間と時間の流れ方等、同じ感覚をお持ちの方でしたので、お打合せも楽しく行えた事に感謝しております。なによりも驚いたのがご自宅に招いていただいた時に拝見した造作材です。全て無垢の木で作られていましたが木の持つ成分だけで自然と経年変化をおこしてくれるよう、塗装や保護材は一切使っておられませんでした。木の成分は長い時間をかけて表面に現れてくるので、汚れやお手入れの大変さなどを考えると私たちでも中々ご提案できる事ではありませんので本物を見分けれるセンスの良さに感動しました。
腰の低いやさしい素敵な院長先生ですが、言葉の柔らかさで受けた印象の通りお客様の事とスタッフ様の事をすごく大切にされてましたので、テーマを「春宵の近代美術館」とし時間をゆっくり感じれる、ゆとりのあるスペースを大前提にデザインさせていただきました。
4方向から光が入る間取りにしたので、自然光の取り入れ方を考えて設計し日差しを遮るのではなくやわらかく感じてもらう為にリネンのカーテンを全窓に取り入れ、リネン越しに入る光の美しさを出すことで時の移り変わりを感じることが出来る空間となりました。
この度のご依頼で一番悩んだのは構造です。デザイン・設計に関して全てお任せしますとお言葉を頂いたのですが、1台200キロ近い診療台を3台導入したい。またスタッフに出来るだけゆったりとした空間で休んで欲しいとのご希望でしたので、ほぼほぼの壁を撤去する事と床や梁の強度確保上、耐震補強と空間デザインの両立がなかなか決まらず一級建築士とデザイナーの打合せが何日も続きましたが、院長先生の想いやお客様の笑顔・スタッフ様の仕事のしやすさを思うと時間が経つのも忘れ打ち込めました。
とにかく設備が充実した歯医者さんです。
この記事をお読みくださった皆様も、機会があれば是非お訪ねください。
PLUS RASISA*watanabe
2・3階の住居を2階は診療室、3階を従業員様のリフレッシュルーム及び技巧室に仕様変更
※1階の診療をしながらの工事
※1階の内装工事はG.Wにて施工
フルスケルトンにして間取り変更・構造補強・階段の新設・通信と消防設備のインフラ整備
医療機器用の給排水設備工事・電気設備工事・エアー配管工事・レントゲン室の新設
内装工事(床・天井・壁の下地含む)全面クロス貼り・床の仕上げ
家具工事(モルタル受付カウンター・造作机・椅子等の什器販売)
インテリア工事(特注リネンカーテンの製作及び取付け施工)