ご相談前に数社お話をされてたとの事ですが、内容が理解しにくくしっくりしないとの事でご相談くださいました。
お家の状態により施工方法の違いがあることや、元々がどのように作られているか等、実際に完成するまでの施工も含めた道のりに重点を置いてご説明させていただきました。そのお話で頭の中のもやもやが晴れたとおっしゃって下さり、そこからご家族様の本当の望みをお聞きすることが出来ました。設備が古くなっただけのリフォームをお望みではなく、A様ご家族様にとって心地よい空間を望まれていたことや物事を考えれる居場所を作りたかったことなど、本当の想いをお話くださいましたのでレトロで温かみのあるデザインを心掛けました。
落ち着きのある空間を演出するため奥側に真鍮素材の照明を一灯と、鉄骨造の為正面の壁に柱型や梁型による大きな凹凸があり凄く違和感がありましたので、出窓の奥にある窓を見せずリネンの布で覆うことをで平面的な視覚を和らげることにしました。壁と天井・建具を塗装で仕上げることは現地を見させていただいた時から決めていたのですが、アンニュイな雰囲気を出すために色の配色(特に照明の光の反射)にこだわりました。近しい同系の色目でデザインするとメリハリがなくなるので白の壁面に濃い目の建具という配色はよく見かけると思いますが、濃い過ぎないブラウン系壁面に少しトーンを上げた建具を合わせることで色の境界を目立たたせないようにし建具と壁面のバランスを取りました。同系色の優しい色合いを合わせていくのは本当に難しいのですが、私たちのこだわっている部分です。
A様お気に入りの手洗いキャビネットはPanasonicの商品なのですが手洗い器と水栓がイメージに合わず家具加工を施し真鍮の水栓とレトロな形状の手洗い器をセレクトしました。おトイレなので大きな鏡は必要ないのですがDEN的な使い方をされるので空間を間延びさせない為の彩りを添える小物として、絵画的な視覚効果もある大きな木製の鏡をつけました。基本的には真鍮製のパーツを使っているので、タオルバーも真鍮にしようと考えていたのですが鏡の雰囲気とトイレ本体に黒の差し色が入ってますのでタオルバーはアイアンの黒革(酸化被膜)仕上げをセレクトしました、小ぶりなサイズが大きな木製鏡との対象でかわいくらしく映ります。
A様ご家族様と同じ時間をかけ共に成長できる空間をデザインし、経年変化で美しく成長してくれる素材を使ったことで「お家の中で一番お気に入りの場所になりました」とお言葉をかけてくださいました。
真鍮のスイッチはとても高価なものだったのですが、ご息女様がすごく気に入ってくださったと教えてくれましたので、お打合せ中もわくわくしながらデザインする事が出来、私にとってもお気に入りの思い出深いご提案となりました事に感謝しております。
在宅工事
「使用商品」
[トイレ]ネオレスト(TOTO)
「その他詳細」
・造作手洗い(Panasonicのキャビネットに社外品の手洗い器と水栓を取付けの為家具加工を施してます)
・内装工事(壁面・建具塗装仕上げ)
・インテリア工事(鏡・カーテン・照明)